【スポーツバイクはツール・ド・フランスによって確立された】
より以上のビッグなレースを望む熱狂的な人々の要求に応え、1903年にフランスを一周するツール・ド・フランスが開始されました。第一回目は、フランスに帰化したイタリア人のモーリス・ガランが6区間2,428kmを93時間33分で走り優勝しましたが、平均時速は25.7kmでした。予想をはるかに超えたビッグレースに人々は興奮し、ツールは毎年開催されて拡大と充実し、世界の頂点に立つレースの座を獲得します。
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初めてのツール・ド・フランスを告知する
ロート紙。 |
第1回目のツール・ド・フランスに優勝した
モーリス・ガラン。 |
ツールを走るバイクは速く走るために進化を続け、1937年にディレーラーによるチェーンギアシステムの採用が認められた頃から平均時速は31kmを超え、1950年代に入って現在とほぼ同じ形態の近代ロードレーサーが確立すると、平均時速は35kmの水準に到達します。その後もバイクは進化を続け、軽量で強靭なカーボンファイバーが多角的に採用されている現在では、平均時速は40kmになっています。
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3スピードの初期の
チェンジギアシステム。 |
1919年当時のロードレーサー。 |
1950年にツール・ド・フランスで
優勝したロードレーサー。 |
ツールは開始されてから100年以上を経過し、途中戦争で2回中断されましたが、2009年で第96回になります。ツールではマイヨ・ジョーヌ(黄色のシャツ)があまりにも有名で、総合首位の選手が着用して走り、最後に着た選手が栄光の総合優勝に輝きます。ツールが始まった初期の頃この制度が無かったために、誰が勝っているのか観客は即座に判断できませんでした。そこで誰が勝っているのか容易に判断できるためにマイヨ・ジョーヌの制度を考案しました。黄色が選ばれた理由は、当時のツールを主催していた新聞社のロート(L'AUTO)の紙面が黄色の紙を使用していたからです。 |