スポーツバイクの原点は自転車競技で使用されるレーサーです。
ツール・ド・フランスに象徴されるように、ヨーロッパを中心に150年以上の歴史に支えられたロードレースの世界が存在しており、そこで使用されるバイクは自動車にたとえればF1フォーミュラーカーで、極限の性能を追求した“走るためのマシン”です。FELTの“F1SL”はその代表的なモデルで、軽さと強さを追求し、カーボンファイバーの素材を多角的に採用。重量は7kg以下で20スピードのギアチェンジが常識です。
ロードレースの一部分やトライアスロンレースで使用されるタイムトライアルレーサーは、一定の高速スピードで走るために空気抵抗を減少させることが最大の課題で、バイクもエアロダイナミック理論に基づいた設計で、ライダーも深い前傾スタイルが可能なパーツポジションになっています。FELTの“B2”はその代表的なモデルです。
トラック、またはフランス語でベロドロームと呼ばれる専用競技場で開催されるレースで使用されるマシンがトラックレーサーです。速く走ることだけを考えたシンプルな機能で、シングルスピードでブレーキも無くバイクとして最小限のスタイルで、FELTの“TK2”がその代表的なモデルです。
冬期のオフシーズンを中心に開催されるのがシクロクロス競技でそこで使用されるのがシクロクロスレーサーです。自転車のクロスカントリーレースとして野山のオフロード競技で使用されるマシンは、タイヤは太目のブロックパターンでブレーキは泥詰まりを防ぐカンチレバーブレーキ、悪路で乗れない場合を考慮し担ぐ状況も想定して設計されておりFELTの“F35X”はその代表的なモデルです。
長い間スポーツバイクはヨーロッパを中心に発展してきましたが、アメリカで誕生したマウンテンバイクによって、スポーツバイクは激変しました。1970年代に入ると、アメリカの西海岸のサイクリストがオフロードを走るマウンテンバイクを考案し、またたく間に世界中に広がり急速に発展しました。マウンテンバイクを使用したオフロードのレースも盛んになり、そこで使用されるレーサーのスタイルが確立しました。
マウンテンバイク競技の基本はクロスカントリーレースで、小さなジャンプやドロップを含む比較的平坦な野山のコースを周回します。ここで使用されるレーサーは、2種類に大別されますが、GTの“ZASKER CARBON TEAM”など前にサスペンション機構を備えたハードテール、GTの“MARARHON CARBON TEAM” など前後にサスペンション機構を備えたフルサスペンションがあります。
エンデューロと呼ばれる耐久レースはクロスカントリーレースより起伏の激しいコースを長時間走るレースで、あらゆる地形に対応するために前後のサスペンション機構は必要不可欠で、作動範囲が大きいセミロングストロークが常識となり、あらゆる走行条件に対応するために27スピードのギアチェンジが必要でGTの“FORCE CARBONE PRO”が代表的なモデルです。
ダウンヒルやエクスストリームと呼ばれるマウンテンバイク競技はもっとも激しいレースで、中程度からの大きなジャンプやドロップが続くテクニカルなコースで展開されるために、ロングストロークの広範囲で作動する前後のサスペンション機構、強靭なフレームやパーツ、強力なディスクブレーキが必要で、GTの“DHi-TEAM”や“SANCTION1.0”がその代表的なモデルです。 |